テキストを読む際は、文と文の関係性、段落間の関係性を把握することも大切ですね。
因果関係、逆接関係、具体と抽象などなど…
ただ、教科書によっては、テキストに明示的に書かれていることを問うような質問が中心で、情報間の関係性を問うような質問が少ない場合もあります。
そんな場合は、教師が自分でそのような問いを準備することもあると思います。
では、どんな問い、タスクを準備すればいいのでしょうか。
今日はそのヒントになる教材を取り上げます。
出版社による紹介ページはこちらです。
いわゆる総合型教科書です。私が使ったことがあるのは初版ですがコンセプト自体は改訂版も変更ないのではないかと思います。
各課に「文章の型」というパートがあり、図表を完成させるタスクになっています。
このタスクでは、読み手は接続表現や、文と文の関係性、段落同士の関連性に注意を払うことが必要になります。
Web上の教師用ガイドも充実しています。
このガイドの「文章の型」の部分を見ながら教材研究するだけでも、勉強になると思います。
出版社による紹介ページはこちらです。
何かでこの本の紹介を見たときに、「おもしろそう!」と思いすぐに購入しましたが、残念ながら部分的にしか使ったことがありません。
読解に必要なスキルが明示的に取り上げられていて、問題に取り組む際には、スキルを使うことが求められます。
スキルの例)
・比較・対照する
・原因と結果の関係を把握する
・複数の情報を関連付ける
教科書の中には、これらのスキルを使う図表完成練習も含まれています。
出版社サイトで本の一部が紹介されていて、こちらでスキル一覧も確認できます。
私はこの2冊から読解指導についてヒントを得ることができました。
教科書自体の採用は難しくても、読解指導の参考として見てみるのもいいと思います。
もし、お使いの教材に、情報間の関係性を問うような質問が足りないようであれば、タスクを追加してみてはどうでしょうか。
一部を図表完成問題にするだけでも、読みの助けになると感じています。
最後に、論文へのリンクを貼っておきます。読解教材での問いの種類やタスクの種類について興味をお持ちの方には参考になるかもしれません。
・「日本語の教科書ではどのような「読み」が求められているのかー読解教科書における質問の分析から」二通信子
・「JSL中級教科書における読解力の育成 : 結束性にかかわる学習項目と指導方法の分析」石井怜子、田中和佳子
今回は、関係性を問うタスクが含まれている教科書を2冊紹介しました。
皆さんがお使いの教材には、どんなタイプの問いが含まれていますか。