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【アイデアのタネ】詩を使った授業

「アイデアのタネ」シリーズは、管理人が「授業でやってみたい」「教材にしてみたい」と思ってはいるけれど実現していない授業プランです。

日本語の授業で、詩を扱ったことがありますか。

日本語教材では、金子みすゞの「わたしと小鳥とすずと 」が、以下の2冊に掲載されています。

・『できる日本語 中級』9課

・『日本語中級J301 中級前期』2課

他にも詩が掲載された教科書はあるかもしれませんね。

私自身は詩を扱った記憶がありませんが、いつか授業で扱ってみたいなと思っている詩がいくつかあります。

今日は3つの詩を題材に、アイデアのタネを書いてみます。

金子みすゞ「不思議」

次の一連からはじまる詩です。

私は不思議でたまらない、

黒い雲から降る雨が、

銀にひかっていることが。

この形が4パターン続きます。

■授業プラン

案1)詩の鑑賞

案2)創作活動(2行目、3行目を学習者自身が創作)

案3)「てたまらない」を学習したあとにこの詩を紹介

谷川俊太郎「かけっこ

関取花さんが光文社のサイトで紹介されていたのがきっかけで、この詩集を購入しました。

接続詞「ところで」の使い方がとても印象的です。

■授業プラン

案1)詩の鑑賞

案2)創作活動(最後の1行を学習者自身が創作)

長田弘「最初の質問」

この詩は、たくさんの質問で構成されています。

今日、あなたは空を見上げましたか。…(中略)…

あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。

出典 『長田弘詩集 新装版』

日常の中でちょっと立ち止まる機会を与えてくれる詩です。

「そういえば、最近、川を見てないなぁ」とか「最後に砂の上に座ったのっていつだっけ?」とか。

詩の後半になってくると、自然と内面に向き合っている自分に気づきます。

じっくりと考えたいような問いもあるので個人レッスン向けかもしれません。

■授業プラン

案1)詩の中の質問に答えてもらう活動

案2)問いを考える活動

アイデアのタネではないのですが、長田弘さんはこちらの作品も印象に残っています。

以上、3つの作品を題材にしたアイデアのタネでした。

よろしければお試しください。

最後に関連資料の紹介です。

この記事を書くのに、詩を取り入れた授業実践について調べてみたところ、参考になりそうなものがありました。

「できる日本語ひろば」に、谷川俊太郎の「生きる」を扱った実践例が掲載されています。 

「生きる」については、「留学生の日本語による詩の創作活動がもたらした諸効果」という論文もありました。

今回は、詩を使った授業案を紹介しました。

著作権の問題もあって、詩は簡単には扱えないかもしれませんが、個人レッスンなどであれば、図書館などで詩集を借りてきて一緒に読んでみるのもおもしろいのではないでしょうか。

皆さんは、授業で扱ってみたい詩がありますか?