先日、こちらの動画を公開しました。「ちゃう」の大量インプットができる教材です。
今回の記事では、動画を作ろうと思ったきっかけと、授業での使用例を紹介します。
「ちゃう」は授業で習うこともあると思いますが、一度習ったぐらいではなかなか身につかない項目ではないでしょうか。知識として「てしまうの縮約形」とわかっている人でも、会話中に出てくると戸惑うということもあるでしょう。
「~ちゃって」「~ちゃおう」など形もいろいろあり、なかなか大変だと思います。
ネットで検索すると、「ちゃう」「じゃう」に関する学習者からの質問がいろいろあって、やはり難しいんだろうなと感じます。
また、『日本語能力試験公式問題集』の聴解スクリプトを見ると、これらの形式が普通に使われていることがわかります。
https://www.jlpt.jp/samples/sampleindex.html
N3 2018年 (聴解)
- 本、なくなっちゃたの?
- 止まらなくなっちゃったよ
- 急がせちゃってごめん
N3 2012年 (聴解)
- 出張が入っちゃって。
- ちょっと破れちゃって。
ざっと見た感じですが、N2のスクリプトにも、「ちゃう」「ちゃった」「~て」の用例は多数ありました。
「ちゃう」「じゃう」はカジュアルな話し言葉なので、アウトプット練習の必要性は人によるでしょう。
ただ、日本で生活したり、日本語の動画コンテンツを楽しんだりする上では、聞いて理解できるようになっておいたほうがいいように思います。
日常的に、動画視聴などをしていれば自然と縮約形のインプットも増えますが、「日本語動画はあまり見ない」という人もいると思います。そういった方が「ちゃう」「じゃう」を集中的にインプットできるような教材があればいいのでは?と思い、今回の動画を作りました。
動画の構成ですが、以下のように同じ内容を3パターンで聞くことができます。
セクション1では、吹き出しの欄外に説明(「てしまう」に言い換えたもの)が入っています。
セクション2は吹き出し欄外の説明がない形になっているので、縮約形を使わない言い方を考えてもらうことができます。このような活動を通して、意味を頭に入れておけば、授業外での聞き流しもより効果的になると思います。
以下で使用例を紹介します。
上記の使用例は、口頭のやりとりのみで実施可能ですが、プリントを使えば、以下のような形で進めることができます。
プリントがあったほうがいいという場合には、以下のPDFをお使いください。
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「ちゃう」については、こちらの記事で論文紹介もしています。