日本語教師になってから、教材制作はずっと関心を持ってきたことですが、自分で音声教材や動画教材を作ろうと思ったことはありませんでした。ですが、ここ数年、日本語教育以外の分野でeラーニング教材制作のお手伝いをする機会があり、動画教材の可能性を感じ自分でも作ってみたいと思うようになりました。その間、いろいろな方に様々なことを教えていただきました。その出会いがなければ、動画教材を作ろうとは思えていなかったと思います。この場を借りて改めて感謝をお伝えしたいと思います。
動画教材といってもいろいろなものが考えられますが、第一弾としてシャドーイング教材を作ることにしました。
日本語教育でシャドーイング教材といえば、くろしお出版さんの <シャドーイング 日本語を話そう>シリーズ を思い浮かべる方も多いと思います。
私も授業で利用したり、学習者の方におすすめしたりしています。このシリーズの中には、場面をベースにした「就職・アルバイト・進学面接編」というのがあります。私は利用したことはないのですが、こういった特定の切り口からのシャドーイング教材はニーズがありそうですね。
ニーズがあるかは未知数ですが、「シャドーイング × 特定の文法」というアプローチもおもしろいのではないかと思っています。いろんな展開の可能性がありそうな気がしています。
というのも、語学学習においては、たくさんの問題に取り組むよりも、耳からのインプットを増やしたほうが効果的では?と感じている文法項目があるからです。自分の英語学習経験では、冠詞の使い分けがそうです。問題をたくさん解いて試験に対応できるようになっても、それが実際の使用場面での自動化につながった感覚がありません。会話では、なんとなくaとtheを使い分けていますが、それはインプットによって使い方をある程度身につけることができたからかなと感じています。(といっても、冠詞の使い分けは難しくて、永遠の課題な気もしています)
さて、日本語学習においても、耳からのインプットを増やしたほうがいいのでは?と感じているものがあります。使役、使役受身、敬語、テイルのいろいろ、自他動詞、各種チャンクなどです。これらの項目を使いこなせるようになるには、問題を解くだけでなく、インプット量を増やすことが重要だと感じています。こういったものを、今後、シャドーイング教材の中で扱っていきたいと考えています。
まずは、「受身、使役、使役受身」の復習ができるシャドーイング教材を作りました。学習者の自習用教材として、Ko-fiで公開中です。クラスでもご活用いだけると思いますので、ぜひご活用ください。
一部、音割れしている部分もありますが……今後の課題です(笑)