ナニカのヒント Japanese Language Learning and Teaching ※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

授業準備・調べ物に役立つツール

ネット上には日本語学習に使えるリソースがたくさんありますが、授業準備等に役立つツールもたくさんあります。今回は、私がよく使っているツールを4つの場面別に紹介します。

共起語を調べたい

授業で、ある言葉を教えるとき、どんな言葉と共起しやすいのかを提示するようにしています。自分の感覚だけでは当てにならないので、以下の2つのサイトにお世話になっています。

NINJAL-LWP for BCCWJ
国立国語研究所の『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(1億語)を検索するためのツール

NINJAL-LWP for TWC
『筑波ウェブコーパス』(約11億語)を検索するためのツール

両者の違いをよく把握しないまま、「筑波のほうが数が多い」程度の認識で使っていましたが、NINJAL-LWP for TWCのページに説明があることに今さらながら気づきました。

これらのツールは、いろいろな目的で使われていると思いますが、私は語彙の提示・練習用によく利用しています。たとえば、NINJAL-LWP for TWCで「抑える」「見合わせる」についてそれぞれ検索を行うと「どんな名詞との共起が多いのか」すぐに調べることができます。その結果を見ながら、学習者のレベルで理解できそうな言葉をピックアップして、以下のような形で例示しています。

【コスト/気持ち/痛み/リスク】を抑える

【運転/参加/購入/使用】を見合わせる

特に抽象的な言葉については、例にたくさん触れることが大切だと思います。

アクセントを調べたい

OJAD (Online Japanese Accent Dictionary)

OJADはオンライン日本語アクセント辞書です。国立国語研究所・共同研究プロジェクト「日本語教育のためのコーパスを利用したオンライン日本語アクセント辞書の開発」の成果物だそうです。


後続語検索」機能もあるので、次のようなものについても調べることができて、便利です。

つくるために
つくるたびに
つくるとおもう
つくるところだ
つくるまい
つくるらしい

物書堂版『大辞泉』

辞書アプリがほしくて探していたときに、こちらの辞書にアクセント表示があるということを知り、購入しました。(この機能は、物書堂版だけのようです。)

全ての語にアクセント表示があるわけではありませんが、一般的な言葉のアクセントを調べるぶんには、とりあえず間に合っています。ほかにも、アクセント表示がある国語辞典はあるようなので、購入ご検討の際は、いろいろ調べてみるといいと思います。

和訳したい(不要な改行の削除)

使っている方も多いと思いますが、英文を和訳したいときは、DeepLを使っています。時々、一部、翻訳漏れがあったりもしますが、その精度には驚かされます。ここでは、DeepLをより効率的に使えるツールを紹介します。

Shaper

このツールは、PDFから英文をコピーした際に生じる不要な改行を除去して、DeepLの翻訳につなげてくれるツールです。


PDFファイル上の英文を直接、DeepLにコピペすると、不要な改行が生じてしまいます。そのまま翻訳してしまうと和訳も変になってしまいます。このツールを知るまでは手動で不要な改行を削除していました…。

Shaperに英文をコピペすれば不要な改行を除去して、そのままDeepLにつないでくれます。はじめて使ったときは、感動しました。

基本は翻訳したいときに使っていますが、改行を削除してくれるので、次のような日本語で書かれた情報を整理する際にも使っています。

・PDFになった日本語の文書

・画像からテキスト抽出したもの

DeepLの翻訳精度を見るにつけ、今後の語学学習・教育・教材はどう変わっていくのか、と思ったりします。

論文を調べたい

CiNii Research(国立情報学研究所が提供するデータベース)

論文を書いているわけではありませんが、次のようなとき、こちらのサイトで論文を探すことがあります。


・実践例を知りたい 例:ディクトグロス、シャドーイング

・用語の正確な定義が知りたいとき

・意味・用法などについて各種参考書などを読んでもすっきりしないとき

実践にいかせるヒントがほしいときは、「実践」「教材開発」などといったキーワードで検索するといいと思います。

今回は、便利なツールを4つの場面別に紹介してきました。今はネット上にいろいろなツールやリソースがたくさんあるので、ブックマークすることも多いのですが、よく使うものは結局、限られたものになってしまいます。

ネット上のリソースをもっと活用できるように、まずは自分用に整理してみようと思います。