日本語学校での授業は、学習者の国籍がいろいろで媒介語が使えない環境だったので、直接法で教えてきました。
教え始めたころ、言葉の意味を簡単な日本語で説明するのに、結構苦労しました。授業中に突然聞かれた場合は、しかたがないのですが、授業前に、質問が来そうなものを予想し、準備することはできるので頑張って授業準備をしていました。ただ、最初のころは、参考書や辞書で調べたことを教材に書き込むだけで、それをのちの授業に生かすことを行っていませんでした。ですが、授業を重ねるうちに、「これ、前も調べたのに…」という場面が出てくるようになり、調べたことをExcelにストックすることにしました。
たとえば、こんな感じです。
特に「辞書の説明もピンと来ない」「簡単に言い換えできない」というような言葉はストックしておくと便利です。授業準備の際にExcelで検索し、その内容をヒントに担当クラスに合った説明・言い換えを考え、それも入力していきます。
ちなみに出典部分のアルファベットは、毎回、書籍名を入れるのが面倒だったので、自分で勝手に以下のようなルールを作って入れていました。(当時の私にExcelのプルダウン機能を教えたい)
C:すぐに使える実践日本語シリーズ 4 広がる 深まる 副詞 (上級)
D:すぐに使える実践日本語シリーズ 3 くらべておぼえる 副詞 (初・中級)
F:表現を豊かにする動詞
G:ことばの意味を教える教師のためのヒント集
T:日本語能力試験1級に出る重要単語集
どれも昔使っていたものなので、かなり古い本です~
ここに挙げたものは、語彙関連の教材・参考書ですが、他にも以下のようなもので、分かりやすい説明や言い換えに出会ったら、どんどん入力していました。
・語彙関連の教材、教師用参考書
・辞書(使い方のわかる類語例解辞典・現代副詞用法辞典)
・読解問題の本文下に付けられた注釈
・学習者による上手い言い換え
このファイルは今も重宝しているのですが、反省点もあります。
・出典が定かではないものがある
・出典はわかってもページ数がわからない
・どこからどこまでが本の内容で、どれが自分のメモかわからない部分がある
改善点はありますが、このようなストックが、授業準備の効率化だけでなく、説明力・言い換え力アップに役立ったと思います。
今はネット上に日本語教育関係の有益な情報も多くありますが、「分かりやすい言い換え表現」をすぐに見つけられるかというと、そうでもない気がします。分かりやすい説明、上手い言い換え表現に出会ったらストックしておくといいと思います。